1 題材の目標   2 題材の評価規準 3 主な学習内容と評価 アドバイス 資料
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美術Ⅰ 絵画・工芸 1年 9時間

この題材は、平成元年頃から美術の最初の授業で行ってきたもので、まず星野富弘氏の「花の詩画集」VTRを鑑賞して作者の生き方から表現について考えようというものである。続いて、タッパを持って校庭へ出かけて落ち葉や枯れ枝などのモチーフを集め、手づくりの竹ペンで描写し彩色していく。ものをじっくり観察しながら、自分なりの表現の大切さを感じ取れるようになることが目標である。

題材の特徴


ポイント1 表現するとは ───────────────────────────── 
星野富弘さんは、首から上しか動かせない体のため、ベットに横になって妻に助けられながら、口に割りばしペンをくわえて少しずつ懸命に描く。その姿と絵を見て、感動を受けない人はいない。絵は、技術から始まるのではなく、表現を切望する心構えから始まるということを感じさせてくれる。ビデオの鑑賞後に書いた感想文を、スケッチブックの表紙の裏に貼り、これから使う度に思い出せるようにした。
見た人に感動を与える作品について考えることから、最初の授業はスタートする。

ポイント2 竹ペンを作る ─────────────────────────────
鉛筆を小刀で削った経験のある生徒は、年々少なくなっている。
道具を作るための道具でもある小刀を、是非体験させておきたいと考えた。素材には竹の割りばしを使い、鉛筆削りの要領で先端をとがらせ、何度か書き味を試しながら、自分の好みの線が出るように調整していく。
墨入れには小さなタッパを使い、吸水性の良いスポンジに墨滴を染みこませ、こぼれにくいように工夫した。すべてホームセンターで材料を揃えた手づくりである。

ポイント3 モチーフは校庭にある ───────────────────────── 
VTRを鑑賞後、手に乗るぐらいのタッパを持ってみんなで校庭に出かけた。入学して初めて出会う校庭の草花である。4月の頃は、まだ秋に落ちた木の葉が残っている。気に入ったものを何枚か拾う。木の実や、小枝でもよい。生きている草花はすぐに変色してしまい、何週間にも渡る素材には適さない。

ポイント4 緊張感から集中力アップへ ───────────────────────
竹ペンに墨を付けて描くので、間違っても消すことができない。緊張するが、その分集中力が増す。できるだけゆっくり描くように助言する。
思い込みで描いている生徒は、手元を見て描いている時間が長い傾向がある。せっかく目の前にモチーフがあるので、じっくりと観察しながら描くように助言する。

題材1 「 手づくりペン画 」